この人すごいな。完璧すぎる。

今度は小さい子がアメをあげていて、彼はくしゃっと笑い、ありがとなっ!と言って頭をなでていた。


きゅん。

なるほどこれが胸きゅんね!!
わかったよ、知沙!これねこれ!!

もうこの時点であたしは恋に落ちてしまったのかもしれない。


単純すぎなのかな。

変な不安を抱く。


男の人はギターを肩にかけ、
聞きにきていた人達にありがとうございましたと例をした。


とたんに拍手がおきる、
するとあたしと同年代のような男子が

「柏くん、来週もまた6時から?」

いつも来ているような口調で駆け寄っていた。

「おう!雨降ったらなしだけど」


柏…さん。

柏さんて言うんだ。

柏さんはしばらく色んな人達と話をしていた。

あたしはつっ立っていて、
彼の姿をただただ追いかけていた。


柏さんがこっちを、見た。


うわっ、、

ふとあたしから目を逸らす。