あたしの机に影が降る。

顔を上げると現社の鈴木先生が日誌を持ち構えて立っていた。

ばしっ。

頭に走る痛み。
続いて知沙も叩かれていた。

クラスのみんなはクスクスと笑っている。

「櫻木、田代うるせぇ」

ヤンキー気質の鈴木先生に睨まれるだけでも、心臓が止まりそうだ。


そのおかげで目が覚めたあたしは、鼻歌を歌いながらノートを取る。

チャイムが鳴り、午前中の授業が終わった。


ありきたりな日常。

「さっきは災難だったねー、杏」

昼休みの食堂。

知沙と一緒にうどんを食べる。

「知沙も叩かれてたじゃん」

うどんにものすごい量の一味をかける知沙は笑いがなら話した。

「杏の顔最高すぎたんだもん、あれ誰でも笑うってば」

「失礼な。なーんか、つまんないな~。なんか起きないかな~?」

うなだれるあたし。