「はーい。森山葉月でーす。えーっと、寝てるときは起こさないでくれたら嬉しいです」


私のふざけた自己紹介に田中センセイは呆れた顔をし、周りの生徒たちからはドッと笑い声が起きた。


にこやかに席に座って、角ばった文字で黒板に書かれた「自己紹介」の文字を見つめていた。


すると、左隣の人が立つ音がした。



その瞬間、女子のザワザワとした声が大きくなる。



なんだなんだと耳を塞ぎながら横に目線を向けると。



「え…。」



かすれた声が無意識に出て行った。