「さっ咲絢さんっ？咲絢さんっ？どうしたんですかっ？」


咲絢さんは倒れたまま目を覚まさない。


まるで眠り姫のように。


「なんでっ？なんでっ？」


パニックになりながらも、呼吸、脈を確認する。


「呼吸も脈も正常。よかった。」


ってよくない‼︎


私のせいかなあ…


いや、間違いなくそうだよね…


「とっとりあえず…誰か呼びに行かないとっ‼︎」


最適な行動を思いつき、さっきいた場所へと戻ろうとする。


が、


「ここどこ…。」


そうだった。


とりあえず、ひと気のない所にと適当に道を選び咲絢さんを引っ張って行って。


それに加えて、私は異常な方向音痴。


帰り道がわからない…


「もういやあ、何でっ！でも、咲絢さんを早く病院に連れて行かないと…。」


パニック状態の私は1人でブツブツと話し続ける。


「でも…。携帯もないし…。」



困り果てて座り込んでいた私の耳に救世主とも思える声が飛び込んできた。