「こっ、恋とは特定の異性に強くひかれることよね?」

「はい。」


完全に国語辞典から引用してきたような言葉に頷く。


「私が、蓮さんに恋…?」


「多分…。というか間違いないかと…。」



「私が蓮さんに恋…私が蓮さんに恋…私が蓮さんに恋…。」



壊れたおもちゃのようにそのセリフを呟き続ける咲絢さん。


さすがに不審に思い、肩を叩く。


「咲絢さん…?」


そう名前を読んだ瞬間、咲絢さんはパタリと倒れた。