「葉月ちゃん復活っっっ‼︎」

やっと会場に着き、荷物を降ろし、場所取りをし、前回の優勝旗を準備し、スコアブックを準備してすっかり気分も良くなった私は思わず背伸びをして叫んでしまった。

「ふふ。よかったですね。葉月さん。」

「おう‼︎もうバッチリよ。結衣ちゃん。心配かけてごめん……いったー‼︎」

結衣ちゃんに向かって笑顔で話している最中、私は後ろからバコンと叩かれた。

「海斗おおおおおっ‼︎何すんのよっ‼︎」

「結衣ちゃん、こいつ1回殴っていいぞ。俺が許す。」

「あんた何様のつもりよお‼︎結衣ちゃんは私の味方だしー、そんなことしないしー。」

「いやあ。分かんないぞ。裏ではこの馬鹿がとか思ってるかもよ。」

「いやいやいやいや。そんなことないですっ!葉月さんのことはとても尊敬してます…だからそんなことは。」

海斗の冗談を全力で否定する結衣ちゃん。

可愛すぎるよ。

「あはは。ありがとっ‼︎もう結衣ちゃん大好きい‼︎」

「あはは。」

「馬鹿か。いいから、無理すんじゃねえぞ。」

「はあい。あんたも、勝たないと許さないからね。」

「当たり前だ。んじゃーな。スコアブック間違えんなよ。」

「余計なお世話ですうー‼︎ねえ?結衣ちゃん?」

「あは。はいっ。」

笑顔を浮かべながら大きく頷く結衣ちゃんを改めて天使だなあと思い返したのだった。