「葉月!一番後ろに行け。ここ前だから一番揺れるんだろ。あそこで横になっとけ。」

そう言って揺れる体を支えて私のもとにやってきたのは蓮だった。

「でも、蓮の席あそこじゃ…。」

かすれた声でそう呟くと蓮はニコッと笑って。

「俺、ここに来るから。」

「じゃあ、私も行くわ。1人じゃ心配だし。」

「お前はここでいいんだよ。向こうには海斗がいる。」

「でも。」

「お前も結構酔ってんじゃねえか。黙ってここにいろ。ほら、葉月立てるか?」

「あっ、ごめん…。」

フラフラの体を蓮に支えてもらいそばで待っていた海斗の肩に掴まって後ろまでどうにか行き着いた。

「ごめん…。」

座ってから海斗に小さく呟いた。

「ばーか。きついならさっさと言えっつーの。
ほら横に慣れよ。」

いつものいたずらっぽい笑顔でそう言う海斗。

そんな海斗の笑顔で少し頭痛が良くなった気がした。

「横になったらキツイもん…。」

「あーも我儘なのは変わんねえなあ。
肩貸してやるから寝とけ。」

そう言って海斗は自分の隣をポンポンと叩いた。