「あはは。結構、好きだったのになあ。」

枯れた笑い声を浮かべて今にも泣き出しそうな顔で舞友はこっちを向く。

「ごめんね。葉月。たくさん嫌な気持ちにさせて。あたしたち、あいつに振り回されてばっかりだったね。」

フっと軽く笑みを浮かべて呟く。

「結局、おあいこだね。嫉妬してばっかり。」

「ほんと。もういいよ。この勝負は引き分けってことで。」

あの天使の微笑みを向けて私の前に右手を突き出す。

その手を握って私は言った。

「うん。今回は引き分け。でもいつか、私の圧勝で終わらせてやるから。」

「そんなことさせないし。」

涙を隠したダサい笑顔で笑いあった。