「かっ、海斗も舞友のためを思ってっ‼︎」

何が楽しくて、ライバルに好きな人の代わりの弁解などしなくてはならないのだ。

イライラしながらも、舞友を納得させられる言葉を探す。

「じゃあなんで葉月は知ってんのよ？あんなこと言っといて結局、私のことなんて好きじゃなかったんじゃないの？
だから、私には何も言わないでっ‼︎」

「ふざけんな。」

気づくと舞友の小さな体を突き飛ばして、見下ろしていた。

「何するのよ…。」

「ふざけんなっつってんの！あんたのことを好きじゃなかった？
そんなわけないでしょ。
海斗は泣きそうな顔して言ってたよ。
あいつを傷つけたくねえからって。
俺を嫌いになって違う奴と幸せになって欲しいって思ってたからじゃない？」

心の中で渦巻いてた黒い気持ちをぶつけていた。

「あたしは…どんなに好きでも両思いにはなれなかったんだよ。」

頭をかいて、俯きながら呟いて言った。