「20分!」



そう合図すると残りの一周は全員ダッシュする。



疲れている時にどれだけ踏ん張れるかが大事なんだとか…



私には地獄以外のなんでもない。



規則正しく並んで走っていた部員たちが一気に散らばって走り始める。



そして、ノートにゴールしてきた順番を雑に書き込む。


「金井…谷原…」



呟いていないと手が追いつかない。



「はあ…。」



溜息をついてボールペンの先を押した。



やっぱりこの作業は疲れる。



「お疲れ様でした!」



私は水筒を入れていたかごを部員達の方へ置いた。



部員達は肩で小さく息をしながら水で喉を潤している。




そりゃ、疲れるよね。

この量を私が走る光景を想像し、そっと苦笑いをした。