遠慮するようにそう問いかけてきた明日香。


馬鹿にし過ぎたろう。


それくらいわかるに決まっている。


「可愛いとか、綺麗とかそう感じる奴だろ。」


サラリとそう答えると、その瞬間竜太は言葉にできないというような驚きの表情をして、明日香はやっぱりねと肩をすくめた。



「あんた、それ初恋でしょ?」


「わ、わりーかよ。」


ズバッと図星を当てられ、そっぽを向いて答える。


「はあ…。そんな勘違いで突っ走って。ねえ、今誰よりも会いたいのは誰?
自分を盾にしてでも守りたいのは誰?
一緒にいて安心できるのは誰?
その人の笑顔が大好きだって思えるのは誰?
そう言われて真っ先に思いつくのは誰?」


語りかけるようにそう言われて、思わず目を閉じて考える。


いや、考えなくても答えはすぐに出ていた。


認めたくなかったんだ。


最低な自分を。