「いやいや。ないし。てか、俺別に彼女いたし。」


顔の前で手を左右に振りながらそう言うと、二人は目を合わせて声を合わせて言った。


「「はあ⁉︎」」


その大声に少し引き気味になると、唾が飛んできそうな勢いで二人は交互に俺に向かって食いついてくる。


「いや、それこそないだろ!あんな顔して!」


「どんな顔だよ…。」


「優しげな表情だったじゃん!」


「そりゃー、あいつはいい親友だし。」


「じゃー、その彼女とやらはどんな子なんだよ?」


そう竜太に言われる。


仕方なくため息をついて話す。


「学年トップくらいの美少女で運動神経がめっちゃいいバレー部の奴。」


そう言って、ぽつりと「別れたけどな」と付け加えた。


「…イッテイイノカワカリマセンガ…。」


「なんで片言なんだよ。」


「貴方、好きの基準なんだと思ってます?」