「おーい、葉月ー。」


「ああ!?」


ハアッハアッと肩を上下に揺らしていると私を呼ぶ声が聞こえた。


未だ治まらない怒りにつられて思わず低い声で答えてしまった。


「何、怒ってんだよ。こえーな。」


振り向くと、相手は海斗だった。


ああーっ!

できればこいつの顔は見たくなかったぜ。


「怒ってマセンヨー。ナンですかー?」


「怒ってんじゃん。」


そう言うと、海斗は私の眉間を人差し指で軽く押した。

そして、顔を近づけて言った。


「ほらー、皺寄ってんじゃん。」


「ちょ、や、やめてよ。」


いきなりのアップに俯きながら、一歩後退する。