「葉月ーっ!!」


ほら。


また。


「何よ…。


自分が出来る限りのそっけない返事を返す。

その相手は。


海斗…」

「そんな仏像っ面下げてんじゃねえよ。」

避け続けて、もう話すことも少なくなっていた海斗がいつものように話しかけてくるってこと。


あの舞友と再会した日から、あのキス事件まで。


その記憶が抜けてるんじゃないかってくらい。


前と変わらない笑顔で。