「ねえ…結衣ちゃん…。
聞いてもいい？」

「はい？」

「いつの間に学校終わったんだっけ？
そして、何でもうインターハイの会場に私たちはいるの？」

「え…？」

言葉通り、終業式もそれからの練習も魂が抜けていた私の記憶に存在していなかった。

ふと、頭を整理してみると、もう今日はインターハイ一回戦当日で。

受け入れがたい事実と、耐えられないこの暑さで私の頭はぐちゃぐちゃだ。


「葉月ちゃん、結衣ちゃん。
そろそろ試合が始まるわ。
移動しましょう。」

「へっ⁉︎もう⁉︎」

咲絢さんの言葉に心から驚く。

しかし、さっきからこの内容の言葉しか繰り返していない私。

咲絢さんも結衣ちゃんもさりげなく、又はバッサリとその言葉を無視する。