「海斗…。」


いつの間にか俺の前に立っていた海斗。

「葉月は…?」


迷いのない表情から何かの決意が読み取れる。


その問いかけには答えず、にやっと笑って言った。


「キスした」


胸グラを掴まれ、怒りに満ちた顔で睨み付けられる。


俺は負けることもなく睨み返す。



しばらくしてフッと息を吐き出した。


そして、海斗を見つめた。


怪訝な顔でなんだよと呟く奴。


「なんでそんなに大事なら伝えねえんだよ。
お前、葉月のこと好きだろ?」



息をつまらせる海斗はもう正解とでも言っているようだ。