いつか、葉月の彼氏になりたい。

そんなことを思うようになった頃だった。


初めて、葉月のあんな顔を見た。

何があっても泣くことなんてなかった葉月が一人の男を思って泣くなんて。





“森田海斗”

そいつが転入してきた。

幼馴染みだったという海斗は俺が一年かけてやっと近づけた距離を初めから持っていて。

そして、海斗は優れた人望を持っていた。

一気にクラスの中心人物へとなって葉月の隣でいつも笑っていた。