「え?今日部活あるのかよ?」



「アンタ、うちの高校のサッカー部強豪校なこと知らないで編入してきたの?
休みなんてあるわけないでしょうが」



「知ってるし。てゆーかお前、まだマネージャーしてたのかよ!?すぐやめてるだろうと思ってたのに!」



「編入早々殴られたいの?」



「おー、怖い怖い。じゃあ行くよ。連れて行け」



「はいはい。わかりましたよ」



「なんかうぜえ。早く行くぞ」



「上から目線な海斗様に合わせてあげてるだけじゃない」



「はあ…お前そのいつでも喧嘩腰なの全く変わってねえな」



「心配しないで。海斗だけよ」



「うっぜえ〜〜」



「褒め言葉ありがとう」



私たちが口喧嘩をしながら準備をして教室を出ろうとすると、れもんと珠璃が一気に吹き出した。



「へー、ライバルね〜葉月、森田くんに凄い気許しているんだね。こんな葉月初めて見た」


「本当だよお!まあ喧嘩するほど仲がいいって言うし、2人すっごく仲良いんだね〜ねえ、珠璃?」



「そうみたいね」



「「仲がいい!?」」



打ち合わせをしたわけでもないのに、自然と合う私と海斗の声に、また2人がクスクスと笑った。



私たちは不機嫌そうな顔を見合わせ、そして、苦笑いしあったのだった。