映画館の裏側にある人通りの少ない道に雄也に腕を引っ張って行かれた。


そして、そばにあったベンチに座らされしばらく沈黙が続いて。


やっと涙は枯れ果てた。


それを確認した雄也は優しい声で話し始めた。


「気分悪くなったの、葉月のせいじゃないからな。俺は葉月と遊びに行けてすごく嬉しかった。葉月と一緒なら何でも楽しいんだよ。」


少し照れたように頭を掻きながらそう語る。


ああ、優しすぎるよ。


「ねー、葉月、お前今日部活あったよな。なんで、サボったんだ?」


さっきの表情とはうって違う真剣な顔つきで問いかけてきた。


雄也に話さなきゃダメだ。


特に理由はないけど、何故かそう感じた。

だから、ポツリポツリと話し出した。


本当は好きな人がいること。


それが海斗だということ。


中学生の頃の話。


舞友と再会したこと。


全てを隠さず話した。