「えっと、10:30からので…。あ、この席でお願いします。」

雄也が手早く手続きを終わらせ、会計へとなった。

バッグから財布を取り出し、札を取り出そうとすると、雄也がストップと小さくつぶやき、なぜか二人分の料金を出した。



「え?」

「あ、いいよ。おごる。」

「そんな悪いよ‼︎」

チケットをさっさと受け取り、ポップコーン売り場へと移動する雄也の背中を走って追いかける。

「いいってば。俺が誘ったんだから。」

振り返って太陽みたいな笑顔を向けてくる雄也。

そんな雄也を見て泣きそうになった。

優しさが心に染みて。

ボロボロだった私の心の絆創膏となるように。


君は笑うんだ。