家に着き、自分の部屋に入り音を立ててドアを閉める。


それでもイライラは収まらなくて、手当たり次第部屋の小物を床に叩きつける。


今日は家族全員不在だ。


満月は友達と出かけていて、
お父さんは仕事
お母さんは柚月の保育園の発表会。


ちょうど良かった。


居たら、きっと私当たっちゃう。


おもむろにスマホをいじる。

LINEを開き、れもんにでもトークを送ってみるかとも思ったけど、彼氏とデートだってノリノリだったことを思い出し、


思いとどまった。


ふと、友達かもの部分に1の文字があることに気づき、開いてみる。


『藤原舞友』



トップ画は自撮りであろう。


どうしてそんなに可愛いんだ。


嫌でも心の中に渦巻く汚い思い。


その度に悔しくなる。


そのまま、追加することもなく放置し、スマホを投げ出した。


ああもう全て忘れたい。