「葉月さん…?あの。」



どこか遠くを見つめていた。



今、現在、ヨリを戻す最中かもしれないアイツを思って。



日曜日の午後3時。



大事な大事な大会前のサッカー部は朝から晩まで練習漬け。



海斗は何て言って抜けたんだろう?



出来ればその方法教えて欲しい。



「葉月さん‼︎」



「あ。何?結衣ちゃん。」



「葉月さんおかしいですよ‼︎朝からボーッとして、海斗先輩とも話さないし。」



結衣ちゃんが本当に心配そうな顔を浮かべる。



ああ。



可愛い子はどんなに眉間に皺寄せても唇をへの字に曲げても可愛いんだから。



羨ましいよ。



「何にもないよ…。ホラ、もう片づけ始めよう」



駄目だ。


頭がズキズキする。


何でこんなに、私は海斗に振り回されなきゃいけないんだ。



ツライよ…。


いつもの『葉月』に戻りたいよ。


明るくて、元気で、気楽な『葉月』に。