「海斗‼︎もう部活戻らないと、怒られるよ…。」


「あ…ああ。」


未だにぼーっとしている海斗の肩を揺らす。


「ええ‼︎部活中だったの⁉︎引き止めてゴメンね‼︎あっ、そうだ。ラインだけ交換しよう‼︎」


その言葉に心からホッとして、QRコードを見せると慣れたように舞友はそれをスキャンした。


力のない笑みを浮かべて、手を振り顔を背けた。


その時だった。


「舞友、明日…3時に駅前のカフェに来てくれ。話したいことがある」





海斗が舞友の腕を掴んで、真剣な眼差しをしてそう言った。


舞友は初めは驚いた顔をしていたけど、その顔は徐々に口角が上がり、魔女のような笑みを浮かべて頷いた。


ああ。


そうだ。



私はいくら頑張ったって海斗の1番にはなれないんだ。