ショックで声が出ない私に、奏多はデコピンする(本日2回目)。



「おい、あれ見ろよ。
ゆずの相手、鹿野先輩じゃねーみたいだぜ」



え?


私はもう一度ゆずの方を見ると、ゆずが話している相手は先輩の横にいる人。


つまり。


……お兄ちゃん?!




「えっ?!なっ…お、お兄ちゃん…?!」



「ハハッ、らしいな」



「わ、笑い事じゃない!」




奏多は呑気に笑って二人を見ていた。



そ、そんな場合じゃないよ!!!