(一翔の嘘つき!!嘘つくなんて最低!!翔がそんなことするわけないじゃん!!)

梨華は走った。

〝ドンッ!!〝

「きゃっ…!」

「っ!?」

梨華と誰かがぶつかった。

「ご、ごめんなさい…」

梨華が顔を上げた先には

「梨華ちゃん…?」

「翔…?」

「どうしたの?なんで泣いてるの?」

翔はそう言って梨華の涙を拭った。

「うそでしょ…?翔が私を拉致しろって命令してないよね…?」

梨華はそう聞いた。

「……」

翔は黙り込む。

「ねぇ…?」

梨華は翔の服を掴む。