「…匡言え…」

一翔はそう言った。

「姫を襲った蛇蛇のside族…
骨気(こっき)のトップが俺の腹違いの弟…樋爪 翔だと言う情報が昨日あった。」

「え…翔が…?」

「翔って…お前の友達の彼氏だろ?」

一翔がそういう。

「うそ…」

梨華は気づいた。

(そうか…だから二人共暗い顔してたんだ。
匡さんだっていくら腹違いだからって兄弟で争いたくないもんね…でも辞めるなんて…)

「梨華。お前はどうしたい?」

一翔が梨華に聞いた。

「どうしたいって…どういう…?」

「お前のことだ。お前が友達を大切にしたい気持ちはわかる。
だけどこれは俺の復讐でもあるんだ。」

「ふく…しゅう…?」

「一翔さんは姫のために決めたんすよ!!」

丞平がそういう。

「じょう言うな!!」

「どういうこと…?私のため…?」

梨華が聞くと一翔は黙った。

「どういうこと…?ねぇ…一翔!!」

「お前が蛇蛇に拉致されたのはお前が自ら行ったことでもなく、
父親の指示でもねぇんだよ…。全部樋爪の計画だ…。」

「なんの冗談?そんなわけないじゃん(笑)」

梨華はそう笑う。

だけど周りは真剣な表情をしている。