そして全は私を抱きしめようとした。

だけど私は怖くて突き飛ばしてしまった。

けど全はさっきよりも強い力で「俺にぶつけろ」なんて言ってくれた。

その言葉で私は私だけが辛いんじゃない…。

独りじゃないって思えたんだ…。

流れてきたのはいつもの冷たい無力な涙じゃなくて、

温かいぬくもりの涙だった。

全はなにも言わずにただずっと抱きしめてくれた。

そして「一緒に来い。守ってやる。」なんて言ってくれた。

人間不信は温かさで克服できるのかな…?

不信なんて感じない真っ直ぐな瞳だったからついて行くことにしたんだ。

お姉ちゃんが私を見たら笑顔で言ってやろう!

全…私を変えてくれてありがとう。