「私に…何の用…?」

梨湖は冷め切った顔できいた。

(こいつ…生きることをやめてるような目ぇしてやがる…)

全はそう思い静かに口を開いた。

「君のお姉さん、梨華さんは…父親に虐待をされていたのか?」

「……お姉ちゃんだけじゃない…私もそう…」

梨湖はそういい服を脱いだ。

「なっ!!」

一翔は声を上げたが全は顔色一つ変えず見ていた。

「…そんなに気分のいいものじゃないけど…」

そう言った梨湖の背中や体には梨華と同じ火傷の跡があった。

「そうか…。なぁ、梨湖」

梨湖は服を着て全を見た。

「俺たちのとこに来ないか?」

「…無理…」

梨湖はそう言って下を向く。

「…男の人が…怖いの…外に出るのも怖い…」

梨湖はそう言って涙を流す。

「…ごめん…なさいっ…」