「なんかいうことねぇのか?」

全は言う。

「…お姉ちゃん…」

梨湖は恥ずかしそうに下を向いた。

「私の代わりになってくれてありがとう…。
たくさんたくさん辛い思いさせてごめんなさい。
一生消えない傷にしてしまってごめんなさいっ…」

梨湖は泣きながら言った。

「こんなの…梨湖の心の傷には全然届かないよ?大丈夫。
梨湖はすぐ泣くね…」

梨華はそう言って梨湖の頭を撫でる。

「お姉ちゃんよりは泣かんっ…」

梨湖はそう言って笑う。

「そうだね。強い子だよ、うん。
全さん梨湖をお願いします。」

「まかせろ。」

全はそういい梨湖の頭をポンと叩く。

「全、てめっいつまで梨華の隣にいるんだよ。」

一翔が言いながら近づいて来る。

「遠くから見て両手に花だったよぉ~☆」

香清が笑いながら言う。

「笑いものじゃねぇよ。香清」

一翔はそう怒る。