「みんなと同じ?」

「幹部のみんながね。一翔のとなりでずっと笑ってやれって。」

「そうか…。まぁ俺もそんな感じだ。」

全はそう言って梨湖を見た。

「俺は梨湖に出会って変われたと思う。」

「梨湖に会って…?」

「姫がいてくれなかったら梨湖を俺は抱きしめられなかった。
…初めて会った時あいつ目が死んでたんだ。」

「…ぅん…。」

梨華は懐かしいように儚く笑った。

「俺、あいつに会って姫も同じ思いしてたんだ…って気づいたんだ。」

「ぅん…」

「だから、姫には一翔の隣で笑っていて欲しいし、ずっと梨湖の姉でいてほしい。」

全はそう言って頭を下げる。

「頭下げるほどのことじゃないでしょ!!
全さんだってすぐ頭下げてる!!それに私はずっと梨湖の姉だよ!!
引き離そうとしたらその人恨むよ!?」

「だな。梨湖ちょっと…」

全はそう言って梨湖を呼ぶ。

「なぁに?」

梨湖は不思議そうに言う。