今日から勉強会!

「雅、ここわかんないー」
「椿…わからないってそこ一番最初のページ…」
「俺もわかんない…浩人さん…」
私と浩人が同じレベルで舜と司が同じレベルで椿と夏斗が同じレベルということが勉強会を初めてすぐにわかった。わたしが100点だとすると舜は80点くらいで椿は20点とれるかどうかのレベル。
「いい、椿?ここは…」
私と浩人は出来ない気持ちがわからないので教えるのが下手なようで司と舜が教えることに。
「あれ…ここわかんね…雅わかるか?」
「舜って数学苦手なの?えっとここは、この式じゃなくてこっちの式を使うのよ。」
「あ…うん数学が一番苦手…雅さすがだなー!」
「司さんこの英文わかりますか?」
「あっちょっと待て。司は英語はできねんだ。俺が教える。ここはこの文法を使えば簡単にできる。どうだ?」
「なるほど、これであってますか?」
「違うな。この単語はムービーじゃなくてムーブ、動くだ。文法より先にテスト範囲の単語を理解したほうが良さそうだな。」
浩人がちゃんと教えてる…少しずつ前の浩人に戻ってきてるのかな…。
「雅今日はありがとね!夏斗私を家まで送って!」
「オッケー!椿」
「浩人さん司さんありがとうございました!」
「頑張れよ!夏斗!」
「はい!」
「雅は帰らないのか?…」
「えっ?あっ、私は舜の家に住ませてもらってるの。」
「…そうか…舜、雅を頼んだぞ。」
「もちろんですよ!」
テスト勉強初日が終わった。

「鈴木、授業中に起きてるなんて珍しいな…!!」
「雅、教師に驚かれるなんて、俺より不良じゃねぇか!」
「うるさい、浩斗。さすがに浩斗と勝負となるとこっちだって大変なのよ。」
「何が大変なんだか。雅が100点以外とるの見たことないぞ?」
「そういう浩斗だって。」
「なるほど、鈴木と高橋はライバルなんだな、まぁ鈴木が起きてるのは良いことだな…さぁ、授業を始めるぞ…で、鈴木教科書とノートは?」
「持ってきていませんが?全ページ暗記してるのに必要あります?ノートも黒板暗記出来ますんで。」
「そ…そうか。高橋は…教科書とノート持ってきてるんだな。良かった!」
「俺は教科書丸暗記なんて出来ませんからね…俺は計算がとくいなので。」
「…そうか…。まぁ、誰でも苦手なことはあるね、うん…。」
「まぁ、苦手ってほどでもないですけどね。俺が先生より頭が良いのは間違いないですよ?」
「なっ…お前もそれを言うのか?はぁ…まぁ、いい授業を始めるぞ。」

「先生、そこ赤チョークで書く必要ありますか?教科書では普通の字でしたし、私も大事なとこだとは思わないんですけど。」
「そっそうだな…鈴木ついでにここの問題を解いてくれるか?」
「はい」
スラスラとチョークを動かす。
「正解だ…」
「先生にお願いがあるんですけど」
「何だ?」
「宿泊許可をください」
「はぁっ?ここで授業中に言うことか?」
「椿と夏斗に勉強教えます。」
「あっ…そういうことなら、良いだろう。」
「ありがとうございます」

少し前まで誰とも話さなかった私が授業中に起きていて、しかも宿泊許可までとっていることにクラスの人達は驚きを隠せなかった。

そして、その日からテストの日まで舜の家に皆で泊まることになった。
ご飯の準備は私がしてるし、部屋が2つあるので一番調度良かったから。

「なんか合宿みたいだね!」
「そうね、ここまでしてるんだから赤点とらないでよ?」
「わかってるって!ね、夏斗?」
「おうよ!浩人さんに教えてもらってこの高校受かってるんだし大丈夫だと…思う(笑)」
「暗記科目は赤シートで反復だな。二人とも隣の部屋で暗記だ!1時間後に問題出すからな!」
「一時間?短いよ~」
「じゃあ、ここからここまでな!本当はこんなペースじゃヤバいけど、出来るとこと出来ないとこ早くわかってもらわないとな!」
「はーい、行こ夏斗!」
「あぁ!」

「舜はその間に数学ね」
「あと、わからない教科ある?」
「どの教科も応用は怪しいかな…」
「応用は後ね、まず数学を他と同じくらいにしましょ」
「じゃあ、順番に解くわ!」
雅が俺の回答を見ている。っていうか、ドリルの回答なしに教えれる雅凄すぎ。
「舜ここ違う」
「えっ?あっ…」
こんな難しい文法を暗算で?…雅凄いな…。
「舜は数学の解くのに他より時間がかかってる、これじゃいくら出来るようになっても左半分でタイムオーバね。もっと、数学の理解力を身に付けないと。他の今日かはその後ね…。」