美咲は毎日俺の前で笑ってくれる。



そしてこうやって、俺の代わりにギターケースを抱えて、いや、抱えられて唄を歌いに行ってくれる。




美咲のアルペジオはまるでさらさらと流れる優しい川のようだ。




美咲の歌声はタイヤが上から落ちてきてもボンと跳ね返せるような力強さだ。




いつもの場所で、また美咲は歌う





人が立ち止まり、置いてあるギターケースに小銭を入れる。



俺よりも稼ぎやがるんだ、あいつ。









あそこはとてもいい。




商店街だから多少は暖かいし、誰にも迷惑にならないし、

なにより人が多い。





美咲は俺の作った歌を素晴らしく歌いのけてみせた。








美咲が帰ってくると、美咲はやっぱり俺にお茶を注いでくれる。これはいつもの日課だ。






お決まりのアニメを見ながら、クスクスと笑っている彼女をみて、



お前今いくつだよ


なんてつっこみを、、飲み込んだ




そんなこと言ったらきっと美咲は怒るからな




まあそこも可愛いけど






俺たちが結婚して、残念だけど子供はできなかった。




今更ながら後悔してるよ、ごめんな、美咲