あたしは、何もやる気になれず、屋上へ向かった。

風でなびく髪を耳にかけ、ペタン…と地面に座った。

「はぁ――」

長く大きいため息が漏れた。

「あたし、男運ないかも…」

よりによって、榊原さんがライバルなんて…
そう思っていると、後ろから声がした。

「お前、それは言っちゃいけね―だろ」

振り向くと、何故か亮太がいた。

「亮太…」

今、サイコーに会いたくない奴に出会ってしまった。