阿月は振り返り千秋の服の裾を握った。

「うるさいっておもわない?」

「え?」

阿月の瞳は朝陽によってきらきらしていた。
それは涙を浮かべているからなのか。

「うるさいなんて思わない。
俺らは思わない。ここの先生も、みんなも」

千秋は阿月の手をぎゅっと握りしめた。


「阿月、ここでは話していいんだ。
俺らの前で泣いてもいいんだ、笑ってもいいんだ」