星野は少女に近寄った。

少女の隣にはスーツを着た頭の固そうな男性が立っていた。

「いらっしゃい。加藤阿月ちゃんね」

しかし、阿月は何も答えなかった。

「手続きはお済みですよね」

「はい。すいません、お願いします」

男性は星野に阿月を預け、足早に車に乗って行った。

「さ、阿月ちゃん。今日からここがあなたのお家よ」

阿月は学園の建物をじっと見つめた。

「千秋くん!健也くん!ちょっと!」

「はーいっ」

二人は星野のところへ駆け寄った。