朝と言っても陽が出たばかりで千秋は目を瞑りかけた。

「明け方か…」

この時間に開いているとしたらコンビニとファミレスくらいだろう。
千秋は大通りへ歩こうとしたが足を止めた。

千秋は方向転換をし、住宅街のほうへ歩き始めた。

影はまだ薄く長く伸びていた。

「影がこんなに薄くなることなんてあるんだな」

千秋は足元を見てふっと笑った。