「俺はさ…お前のことが好きだったんだ。
きっと健也もそうだ。
お前に憧れて、気づいたら惚れてた。
冷たい瞳も皮肉も立ち姿も、全部が好きだった。
愛してたんだ、きっと。
だけど、愛してるってなにか知らないんだ。
愛されたことがないから、愛されてもわかんねえや」


気付いたら千秋は独り言でぽつぽつと話し始めた。

寂しさと孤独感から出た弱音だった。