「今、大切にすべきなのは私じゃないでしょ?
葉月を。そして阿月を。…ね?」

健也は涙が止まらなくなった。

「なに言ってるんだよ…ルナは俺の大切な…」

ルナは健也に背中を向けた。

「ありがとってば。
だけど、ほんとにいいの。
前を向いて。そして、私の背中ばかり探さないで」


健也はハッとした。
ルナの姿をずっと探している自分に。
葉月がどことなくルナに似ていることに。
阿月がルナに似ていることに。