「遊ぶ前に荷物を部屋に置きに行こうか」

阿月はランドセルを背負い、手提げバッグを握りしめて二人の後について行った。

学園は3階建てで、阿月は3階の角部屋だった。

「お、角部屋じゃん。いいなぁ、ほかの部屋より少し広いんだよな」

阿月はベッドにランドセルと手提げバッグを投げ置き、窓から外を見た。

「なにかある?」

健也も窓の外を見た。
そこには町並みが見えた。


しばらくして飽きたのか阿月は段ボールを開けて何か取り出した。
それはくまのぬいぐるみだった。
赤いリボンのついたかわいらしいぬいぐるみ。
阿月をそれを抱きしめていた。