2人きりの兄弟なのに。


「どうして……」


ここまで凌牙が、和希に同じ道を歩ませたくない意味が理解できない。


今は"弟"という存在でも、この先大人になったときには、最大の協力者になるんじゃないだろうか。


柳迅会という組織を、守っていくためには。




「とにかく、琉聖と七海のことは、オマエは何も知らないふりをしてろ」



話を元に戻した凌牙に、これ以上何も聞けなかったけど。


あたしには、まだ触れてはいけない何かがある気がした。