言葉の通り、ものすごい苦悩が垣間見えたから……。


「親父の血を分けた子供で、純粋なヤクザの家系に生まれてれば俺も何も言わねえ。和希のためなら、喜んでナンバー1の地位だって差し出す」


「……」


「……そうじゃねえ和希にさせられるほど、甘い世界じゃねえんだよっ……」



兄を崇拝する弟。


そして、弟を何としてでも守ろうとする兄。



端から見たらなんて綺麗な兄弟愛なんだろう。


だけど、その両者には、実は複雑な思いが絡まっていて……。




「憧れてなんか欲しくねえんだよっ……」