中学生の和希が刺青を……。


高校生の凌牙の背中に、いつから刺青が入っているのかは分からないけど。


和希には、よっぽど切羽詰まった何かがあるんだろうか……。



「和希は、この世界に入りたがってる」


凌牙の落胆したような声に、違和感を覚えた。


「その……極道の一家で育てば、それは必然なことじゃないの?」


凌牙が"させたくない"という気持ちも分かるけど、和希が"なりたい"と思う方が自然な気がして。



子供は、父親の背中を見て育つって聞く。


それは、ヤクザの世界でも例外じゃないんだろうから……。