とは言え、過食費もバカにならない。
貯金はほとんど底をついている。

そして、何でもいいから父のそばを離れたかった―

由宇はケータイを開き、ウェブページで求人情報を探した。
なるべく遠く、知ってる人のいないところへ。

ふと目に入った洋菓子屋さん。
条件はぴったりだった。
しかし勇気が出ない。

一時間は経っただろうか。

なるようになる。
そう思い、由宇は決心しエントリーボタンを押した。


何かが変わる気がした。


そのままコンビニに行き、買い物籠に大量のお菓子を入れたものの結局チョコレートをひとつだけ買って帰った。