ここは二階なので、一階に降りようと部屋の扉を開けるとそこには広い廊下が広がっている。

「毎回思うけど、ここまで広くする意味あったかなー」

家の文句を言いながら階段を降りる。

途中でいい匂いがすることに気がついた。

「お母さん、おはよう」

「あら、菜織おはよう」

お母さんこと、高瀬 香奈(カナ)がキッチンで料理をしているところだった。

それにしても食欲をそそる匂いだ。

おっと、涎が。

「朝ごはん見てハアハア言ってるとこ悪いけど、顔洗ってきなさい」

「だって!!だって!!!お母さんの料理が!!!」

「はいはい、わかったから早く行ってらっしゃい」

ブーブー言いながら洗面所に向かう。

ん?水の音がする。

誰かいるのかな?

「だーれがいますか?」

「はーい♡パ・パ・だ・よ・♡」

「うおえ←」

うん、吐きそうになった私は悪くない。

悪いのはここにいるお父さんだ。

だからそんなショボンぬ、みたいな顔しても許さんぞ!

「もう、わかったから速くそこどいて!」

「(`;ω;´)」

「はいはい」

まだショボンぬをしているお父さんをどけ顔を洗う。

あー、やっぱスッキリするねー。

さっきの人は高瀬 透樹(トオキ)。

私の父親である。

あ、引かないでください。

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