「ンだよそれ。寂しいことゆーなよ。」


…!


この声…!


パッと目を開き、声のした方を向く。


「…健…。」


思わず名前が口からこぼれた。


満開の桜の中に、あなたはいた。


桜の中で笑うあなた。


キレイ…。


見とれていると、健はバッと桜の木から降り、こちらに向かってくる。


ギュッ


すると、あっという間に健の腕の中にすっぽりとおさまってしまった。


久しぶりの健の匂いが、私を包んでいく。


安心させてくれる。


「な、んで、今になって、こーゆーことっ…するのよ。」


涙が溢れてうまく言葉が出てこない。


「好きだから。」


…即答。


この言葉も他の子達に言ってるの?


それとも特別?


「やだ…信じられないわ。」


「なんで?」


優しい健の声。


そんなの…。


「私に好きって言ってくれてから、放課後にまたいろんな女の子と遊ぶようになったからよ!」


理由はこの一つだけ。


一つだけだけど、私にはとても大きな理由なの。