「そーいやさ。理子、目腫れてない?」


突然私の顔を覗く。


ギクッ


「そ、そんなことないよ?」


な、なんで今になって…。


「嘘つけ。ほんとは教室に迎えに行った時から気づいてたんだ。」


そう言ってムッとする健はなんだか子供みたいで少しかわいい。


でもすぐに男らしい顔に戻り、


「泣いたんだろ?」


そう言って私の頬を撫でた。


確信したような言い方…。


どうしてこういう事は気づくのよ。


目頭がジワッと熱くなるのがわかる。


好き。


大好きよ。


少し困ったような顔をする健を見つめ、この気持ちが頬に触れている手から伝わればいいのにと、願いを込める。


…ねぇ、いつになったらこの気持ちを伝えてもいいの?


もう、溢れて止まらなくなりそうよ…!