どれだけ泣いていたんだろう。


時計を見るともう7時前だった。


そろそろ健が来る時間だわ。


ぼんやりと涙を拭いながら考える。


涙…止めなきゃ。


健が心配してしまう、それに…


こんなかっこ悪いところ見せたくない。


「理子ー。」


まだ教室にたどり着く前に私の名前を呼ぶから、廊下に健の声が響いている。





帰り道。


健と何気ない話をしながら歩く。


私、普通に話せてるわよね?


ほんの少し前までは幸せだったこの時間が、今ではとても辛い時間になっている。


せっかく健と話しているのに、ぎこちない笑顔を作るばかりの自分に腹が立つ。