健?


健君?


ん~、わからないっ。


「はあ...。」


えっ、ため息...?!


私が名前で呼ぶことすらできないからあきれちゃったのかしら?


嫌いに、なっちゃった?


ブクブクと不安が次から次へと溢れ出てくる。


やだ...。


やだ、嫌いにならないで。


「健!」


布団を脱ぎ捨てて、名前を呼ぶ。


ちゃんと聞こえるように大きな声で。


目の前には私の涙で歪んだ、目を丸くした、健がいる。


ホッと安心すると、目から涙が零れ落ちた。