「ご、ごめんなさいっ。そうじゃなくて…えっと…」


言葉がなにも出てこない。


早く何か言わなきゃ、えっと、えっと。


ぎゅうっ…


体が温もりに包まれる。


優しい優しい温もり。


「はあ…ったく。いいんちょーいつこんなの覚えたの。ってそれは置いといて、あんま心配させんなよ。心臓止まるかと思ったじゃねえか。」


私の耳元で囁かれる大好きな声。


なんだかくすぐったい。


「もっと、俺を頼れよ。」


ギュッと私を抱きしめている永瀬健の腕に力がこもる。


永瀬健の言葉はすごく嬉しい。


嬉しいんだけど…。