いいんちょーは泣き止むと、すぐに持っていたハンカチで俺の腕の傷を止血してくれた。


家まで送っていく途中、ボソッと「かっこわりい。」とつぶやいてしまった。


いいんちょーはそれを聞き逃さなかったらしく、すぐに否定した。


「かっこいいよ!永瀬健はかっこいい!今日からあなたは私にとってヒーローだもの。」


...。


俺はびっくりしすぎてポカンと口を開けたまま硬直してしまった。』


-...って何めっちゃはずいとこまで思い出してんだろ。


...まあ、うれしかったけども。


気を取り直して、机に突っ伏した。


すると、クラスメイトの女子が先生にいいんちょーがいない理由を聞かれ、答えているのが聞こえてきた。


「お昼休みに担任の先生に資料を持ってくるように頼まれているのは見ましたけど、そのあとは知らないです。」